火力発電と同様に、古くから行われている歴史ある発電方法です。日本では明治時代に初めて水力発電が行われたという記録が残されています。
水の流れを利用して発電するため、何かを燃料として燃やす必要がないという点が大きな特徴です。山地や河川が多い日本は、他国と比べても水力発電に向いていると言えます。
発電の仕組み
(イラスト出典:四国電力)
水力発電の種類によって使用する設備に違いはあるものの、基本的にはこちらのイラストのような仕組みで発電を行います。水が落下する力を利用して発電水車を回すというとても環境に良い仕組みです。
大規模な発電を行うためにはダムが必要となりますが、小規模で構わない場合はダムを使用しなくても発電ができます。
太陽光発電や風力発電と同じく、再生可能エネルギーを利用します。落差さえあれば発電することができるため、水車を設置できる範囲も広いです。
水の流れという自然のエネルギーを利用しているため、電力需要への変化に対応しにくいと言えますが、他の再生可能エネルギーを利用する発電方式と比べると、コストが安く済むという特徴もあります。
主な設備
設備 | 解説 |
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取水口 | その名の通り、発電を行うための水を河川や湖から得る設備です。ゴミを取り除く除塵機も設置されています。 |
沈砂地 | 水に含まれる土砂を取り除くための設備です。ダムがある場合はダムそのものが沈砂地としての役割を果たします。 |
導水路 | 取水口で得た水を水槽まで運ぶための道です。圧力をかけて水を送るタイプと、自然に流水させるタイプがあります。 |
水槽 | 水の流れる量を調整するための設備です。ヘッドタンク・サージタンク・調整池などとも呼ばれます。なお、ダムを使用する場合は必要ありません。 |
水圧管路 | 水槽から発電所まで水を流すための道です。主に急斜面に設置されます。 |
発電所 | 実際に水の流れを利用して発電をするための建物です。水車発電機や変電設備などが設けられています。 |
放水路 | 発電に使った水を放水するための道です。水は放水路を通って放水口から河川へと出て行きます。なお、取水する河川と放水する河川は同一でないこともあります。 |
使用する燃料
冒頭の通り、水力発電では燃料を使いません。水という再生可能エネルギーだけを用いて発電することができます。
水力発電の種類
種類 | 解説 |
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水の流し方による分類 | |
流れ込み式 | 河川などを流れている水をそのまま利用する方法です。 |
調整池式 | 調整池で一度流水量を調整してから利用する方法です。 |
貯水池式 | 河川を一度ダムで堰き止めてから利用する方法です。 |
揚水式 | 発電所の上部と下部に調整池を設ける方法です。発電に使った下部の調整池の水を汲み上げて再び上部の調整池に運び、そして繰り返し発電を行います。 |
利用する設備による分類 | |
水路式 | 水路を用いて落差を得られる場所まで水を運び、そこで発電を行う方法です。 |
ダム式 | ダムを用いて貯水池を造り、そこの落差を利用して発電する方法です。 |
ダム水路式 | ダムによって貯められた水を水路で運び、落差のあるところで発電する方法です。 |
メリット
水力発電のメリット・長所を箇条書きにしてまとめてみました。なんといっても最大の強みは水という再生可能なエネルギーを使っているという点です。
エネルギー資源に恵まれているとは言い難い日本でも、水という資源にはとても恵まれています。その他、二酸化炭素を排出しないので環境にも優しいということができます。
- 日本は水資源に恵まれている
- 日本には流れが急な河川が多い
- 山が多く、起伏の大きい日本に向いている
- 水という再生可能エネルギーかつ純国産エネルギーを使う
- 超小型水力発電所なら、用水路や小川などでも発電できる
- 発電時に地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出しない
- 再生可能エネルギーを利用しているので、外部からの影響を受けにくい
- 酸性雨や光化学スモッグなどといった大気汚染の原因となる酸化物を排出しない
- 小規模の発電所なら電力の大消費地近くにも建設可能(送電ロスを抑えられる)
- 揚水式発電なら電力需要の大きい時間帯に発電を集中させることができる(ピークシフトが可能)
デメリット・課題・問題点
今度は逆にデメリット・短所を箇条書きにしてまとめてみました。
メリットの項目で環境に優しいと書きましたが、それは発電開始後の話です。実は発電所を作る際に森林など自然環境を破壊してしまうという問題点があります。
また、ダム建設にかかる費用なども問題視されることがあります。
- 現在、日本国内で新たな大型ダムを造るのは困難
- 雨が降る量によって発電量が左右されてしまう可能性がある
- 大規模な発電所は電力の大消費地から遠いため、送電ロスが発生する
- 長年使い続けているとダムの底に土砂が溜まってしまい、発電量が減る
- ダムを必要とする場合、建設費が膨大にかかり、そして自然破壊も行われる
- ダム決壊などの事故が起きた場合、人や民家などへの大きな被害が発生する恐れがある
推進派と反対派
水力発電は古くから日本でも行われている方式で、かつては火力発電よりも多くの電気を生み出していたこともありました。
現在は再生可能エネルギーということで、再び脚光を浴びていますが、日本ではダムを造れるような場所がもう限られているということもあり、これ以上の発展の可能性は少なそうです。
一方で、世界ではまだまだ水力発電に適している土地が残っているので、これからも数が増えていくのではないかと予測されています。
ダムを造る必要がある場合はどうしても自然環境を破壊してしまうため、反対の意見が挙がることも多いのですが、造った後は二酸化炭素も排出せず、地球環境に優しいというメリットもあります。
賛成意見
小規模発電もどんどん推進していくべき
水力発電所はメリットが多い発電方法なので賛成です。水力発電は化石燃料などを使用しないため、枯渇することがないというクリーンなエネルギーであり、原子力発電のような大きな事故が起こりにくいということがメリットの1つです。
また、ダムに付随する水力発電であれば、風力発電や太陽光発電のようなほかのクリーンな発電方法と違い、水力発電を保有する会社が発電をしたいというときに集中して発電できるということが、ほかのクリーン発電に比べて優れている点だと思います。
その他、水力発電は水が上から下へ落ちるエネルギーを利用するので、山が多く、水資源に恵まれた日本の地形にあう発電方法であります。
そういったこともあり、ほかのエコエネルギーの発電量が、日本の総発電量の1%前後のなか、水力発電は日本の総発電量の8%をしめており、現在日本では欠かせない発電方法であります。
今後も技術改良により、川や潮といった小規模発電ができるようになると予想されるため、推進していくべきだと思います。
再生可能エネルギーの中でも特に安定している
私は、電力の安定供給が出来るうえに、発電効率がいい水力発電に賛成します。太陽光発電など自然の力を借りて発電する自然発電には、発電量が低い、発電が安定しないというデメリットがありますが、水力発電に限っていえば、そのデメリットがありません。
発電においてもっとも大切なのは、天候や周囲の状況に関わらず、きちんと一定量の発電が出来ることですが、水力発電はこの条件を満たしています。その上、発電量そのものも多いのですから、発電方法としてはいう事がありません。
その発電システム上、水の上に作らないといけない(つまり作られる場所が限られる)というデメリットがありますが、それを考慮しても、非常に優れた発電方法だと言えるでしょう。
原発事故により、原子力発電所を増設する事が難しくなった無資源国の日本にとって、水力発電は必須の発電だと言えます。何の資源もいらないのに、安定して電気を手に入れることが出来る発電方法、それが水力発電です。
なので、これからの日本は水力発電に力を入れていくべきでしょう。
クリーンでエコな発電
水力発電については以下に挙げる理由で賛成です。
まず、資源の少ない日本において、比較的潤沢にある水資源という再生可能エネルギーを利用するからです。山やダムも多いので、落差を利用して発電する仕組みもこの国に向いていると思います。
次に、他の再生可能エネルギーと比べて、水力は水流のエネルギーを電気エネルギーに変えるので変換効率が良い、つまりエネルギーロスが少ないエコな発電方法と言えます。
それに、電気は貯めて置けないので、ダムの放水等を利用した場合、電気需要が高まる時期に集中して発電したりするなど、発電量が比較的調整しやすい発電方法であることもメリットとして挙げられます。
最後に、発電することで発生する副産物、たとえば原子力発電で言う核のゴミ、火力発電で言う二酸化炭素はじめとした温室効果ガス、酸性雨や光化学スモッグの原因となる化学物質などを排出しないという点でも賛成できます。
日本に最適だと思います
水力発電は非常にクリーンなエネルギーで、日本に向いている発電方法だと思います。日本は起伏の多い土地で、高いところから低いところに水が流れるという位置エネルギーを有効に活用できると思います。
また、火力発電や原子力発電のように何かを買ってきてエネルギーに変えるわけではありません。日本ならそれほど水不足の心配をすることもないので、太陽光や風力ほど環境に左右されることもないのです。
また、太陽光や風力で発電するとなると、発電機を作らなければならないので、発電ができなければこまります。しかし、水力発電はダムを作るときに一緒に作ればいいわけで、発電以外にもダムという役割もあり、一石二鳥になるわけです。
安定供給できるというのは、生活から切り離すことのできない電気だからこそ、最大の魅力ではないでしょうか。
それに、二酸化炭素なども出さないのでとてもクリーンですし、日本という国土や気候などにも最適と言えると思います。台風や大雨さえも水力発電的に言えばプラス要因になりうるのです。
エコで観光資源にもなります
水力発電はエコな発電方法で、問題が少ない方法だと思うので賛成です。
水力発電を行う時にはダムが必須なので、当然建設コストは高く、村や山などがいくつもつぶれてしまうのは大きなデメリットです。
しかし、出来上がってしまえば、その後数十年にわたって継続的に使えますし、治水や貯水も行えるので副産物のメリットが結構大きいと思います。
加えて、ダム湖は大きな観光資源にもなりますので、水上公園を作れば新たな憩いの場が広がりますし、公共事業で作られる設備としては結構役立つのではないでしょうか。
もちろん作りすぎる必要はありませんし、一つ一つの発電量が少ないのは問題だと思いますが、同じくCO2を排出しない原子力発電との併用が最も効果的だと思います。
また、他の発電方式と比べて、施設の耐久性やメンテナンスの簡単さもメリットと言え、トータルで見ればその分のコストは浮いているのではないでしょうか。個人的には釣りが好きなので、新たな釣りスポットが増えるのもメリットの1つです。
人の健康に被害を与えない
水の力は強いです。津波を見ても、すごい力を持っていることはよくわかります。その水の力を使って、水力発電を行うことは素晴らしいことだと思います。
発電時に、地球に悪影響を与えるものは排出されません。温室効果ガスを排出しないので地球温暖化対策になります。将来のことを考えると、地球のためにも子供たちの将来のためにも優れた発電方法です。
日本は山がたくさんあるので、水力発電は向いています。小さな発電であれば、川や用水路を使っても発電できます。経済的に見ても、他の発電方法よりもコストを抑えることができます。
どの発電方法にもメリットデメリットはあります。しかし、この水力発電は、人体に影響を与えないというメリットが最大の賛成理由です。今あるダムを大いに活用して、水力発電を盛りあげていってほしいです。古くなっても、補修工事をすればまだまだ使えるはずです。
日本の地形に最も適していると思います
私は今の日本に水力発電は必要不可欠だと思うので賛成です。日本は森林の国です。日本の河川は、長さこそ短いものの、その高低差は世界でも希なレベルです。この高低差を利用した水力発電は、日本の地理的にも最も適した発電方法だと思います。
実際に北欧フィンランドでは、その土地の立地を生かした水力発電で100%電気をまかなっています。日本も100%までとは不可能だとしても、原子力発電の危険性を考えると、もう少し水力発電による発電量を増やす方向を考えてもいいと思います。
水力発電は、あまり知られていませんがエネルギー変換効率がどの発電方法よりも一番良い発電方法です。水力発電は液体の水がタービンを回すことで電気を発生させます。
原子力発電・火力発電・地熱発電など、これらの発電方法は水を加熱して発生した気体がタービンを回すために、そのエネルギー変換効率がそれほど良い発電方法ではありません。なので、私は日本に地理に適していて最もエネルギー変換効率が良い水力発電に賛成です。
超小型水力発電にも期待してます
自分は水力発電は賛成派です。エネルギー資源に恵まれているとは言えない日本には、山や川が多くあり、水の流れを利用して電力を生み出す水力発電は適している国だと思うからです。
あと、他の再生可能エネルギーを利用する発電方式と比べるとコストが安く済むという特徴があります。
なにを言っても温室効果ガスを排出しない、光化学スモッグや酸性雨と言った大気汚染の原因となる酸化物を排出しないといった環境に優しい水力発電はこれからの地球温暖化を食い止めるには必要な発電方法だと思います。
水力発電は落差のあるダムを利用して、水を下に流して発電用の水車を回すという仕組みが最も一般的です。ダムを造ることが必要なので、ダムの費用や周辺地域の自然環境を破壊してしまいますが、山の起伏が大きい日本には向いている発電方法だと思います。
あと、超小型水力発電もあるので、用水路や小川などでも発電できます。改良していったら、いつか家庭でも水力発電できるようになるかもしれないですね。
水資源が豊富な日本だから水力発電を推したい
水力発電に全面的に賛成です。これまで電力供給の主流であった原子力発電所の危険性があらためて認識されるようになり、将来の子どもたちに残していくものとして不安を感じています。
この世界に生きているのもとして、処分のできない危険なゴミや事故を起こす可能性のある原子力発電にいつまでも頼っていてはいけないと思います。原子力発電に代わるものとして、自然エネルギーを利用した水力発電は、これから増えていって欲しい存在です。
水力発電は、電力会社だけでなく一般に人々にも発電に参加しやすいというメリットがあると考えています。
例えば、田畑の用水路を利用した簡易水力発電や下水処理施設を利用した水力発電が増えていると聞いたことがあります。電力会社のように大きなダム等をもっていなくても発電ができるのです。
日本は水資源が豊富な国です。至るところに水が流れています。個人家庭や各自治体が、小さな水力発電を利用するようになれば、ゴミのでない素晴らしい世界になるのではないかと思います。
中立的な意見
ダムには反対
ダムによる水力発電には反対です。水力発電は水の流れで発電するもので、二酸化炭素を排出しないので環境には良いものですが、ダム式水力発電ですと、ダムを造らなければならないのです。ダムを造ることで水没する地域が出てきてしまい、その補償をしなければならないのです。
また、ダム湖が出来る事によって周りの環境が変わってきます。ダムは発電ばかりでなく、水を利用するためや、治水の面で造られます。ただ、ダムを水害に備えるために造っても、ダム内に土砂は溜まってきます。
そのため、ダムでは土砂をながすため放水をすることがありますが、放水して土砂を流しても、何年か経つとダムはまた土砂で埋まってきます。
私は小規模水流による発電には反対しません。なぜなら、昔から小川に水車があったためです。ただ、ダム式大規模水力発電には反対します。
先に書いた理由でもあり、造るのに年数や費用がかかるためでもあります。また、年数が掛かることによって計画したことよりも状況が変わってくることもあるのです。大規模な工事ですと、造っても無駄だと分かっても止められなくなってしまいます。
小さい発電に期待しています
水力発電については、どちらかと言うと賛成です。
理由として一点目は、環境に優しいということです。水力発電は火力発電のように有害な物質を大気中に吐き出すこともないし、また水という資源は再利用が可能なので、資源を買わなくてはいけない発電方法よりもコストが安いです。
そして二点目は、水力発電は山や川が多い日本の風土に合っていると言えると思います。ダムがあれば水力発電ができるので、簡単に発電することができます。雨が降らずにダムが枯渇した場合などは、確かに問題かもしれませんが、それでも他の発電方法に比べたら、環境とコスト面でかなり良い発電方法だと思います。
また、大きい発電はダムなどが必要になりますが、小さい発電であれば、ダムほどの大きなものでなくても、作ることができるので、少しの場所さえ確保できれば簡単に発電することができます。
原子力のように、事故による体への影響などももちろんないし、近くに住んでも住人としても安心できると思います。
ダムを建てるなら環境破壊になりそう
現在、資源の再利用や自然にやさしいエネルギーが注目されています。その観点からみると、水力発電がもっと重要視されてもいいと思います。水を利用する事で、大気や水を汚染したりする事もなく自然にやさしいし、原子力発電のような大規模な事故のリスクもないということがメリットにつながると思います。
ただ、水を貯めるためにダム等の建設が必要になる為、ある意味では、自然破壊にもつながると思います。しかし、現状の施設を利用し、より多くの電力を供給できるような技術の開発が行われることを期待したいです。
良いけれど、これ以上は増やす余地がない
現状では唯一、経済ベースで有効な再生可能エネルギーは水力発電ということでしょう。水力発電は他の再生可能エネルギーの中でも特にコストが安いのが特徴です。その上、発展途上国などを含めるといまだ活用されていない水力発電は膨大であると言われ、これからの整備も期待される発電方法です。
ただ、先進国においてはもう利用可能な水力発電はわずかであることも分かっています。特に日本においては新しい大規模な水力発電は無理でしょう。
水力発電に適した場所が残っているか
今まで頼ってきた原発が、あの東日本大震災によってどれだけ恐ろしいものかを皆が知るところになり、これからの電力確保は大きな課題になると思います。
火力発電はたくさん発電することが出来、需要に応じて電力を調整することも出来るという利点もありますが、価格の変動に左右されやすく、大気汚染や温暖化など地球への負担はかなり大きいという難点があります。
水力発電はクリーンなエネルギーであるけれど、電力量は自然に左右されやすく、新しく開発するには適した場所とお金がかかるという、利点と難点があります。
それを考えると、どちらが良いということは言えず、これからの電力確保は、一つの主力発電に頼るのではなく、その地域にあったそれぞれの利点を生かしやすい発電システムを作ることが大切だと思います。風力発電や自家発電、太陽光発電もその選択肢の中にはいるのではないかと考えます。
反対意見
安全性・安定性がよくない
水力発電については、非常にクリーンな再生可能エネルギーとして考えられているものの、発電効率や安定性および安全性、そして環境配慮の面で反対します。
日本の国土の多くは、平地よりも山岳地帯が多く、水力発電所のためにダム建設が行い易いことがあります。しかし、ダム建設をする際、膨大な建設費用が発生することや、建設時の安全性、すなわち作業者の労働災害防止に問題があります。
また、空梅雨などにより、ダムが干上がることで発電能力が失われることもあります。そして、電気と水という点においては相反するものであり、台風や集中豪雨によりダムの発電システム並びに開閉システムの機能が水没により、失われる危険性があります。
特に、東日本大震災後に東北電力が管轄する水力発電所は、2011年6月に発生した大雨により、発電能力を失い、復旧に膨大な期間を要しています。
また、水質によっては、酸性度の高い地域ではコンクリートの耐久性が損なわれ、維持費用が嵩むことがあります。確かに、水力発電所かつ揚水型発電を行っている場合、安定した面がありますが、長期運用による安全性確保では明らかに経済性が悪くなります。
また、地形を変えることで多くの生物の生態系が失われる他、予想しない事故が発生する可能性があります。万が一、老朽更新をしない場合、ダム下流域にある住宅街には多大な被害を与える可能性があります。
電気を使う発電方法
水力発電は再生可能エネルギーと言われています。確かに、ナイアガラの滝のように、あれぐらい大量の水がコンスタントに流れる川があれば、その下にタービンを置いて発電することで相当な発電量になると思います。
しかし、日本の河川の水量はそこまではありません。だから、実質水力発電といっても山頂からふもとにかけて水の管を滑り台のように設置して、そこに水を流すことで水力発電を行っています。
そして、流れる水の量が少ないときは下に流れた水をくみ上げて、山頂まで電力を使って運ばなくてはなりません。なので、水力発電はかなり電気を使用する発電方法ということになります。原子力発電や火力発電などに比べてコスパが悪い発電ということです。
原子力発電で作られた電気は電気使用量の少ない夜間には余っている状態です。その余った電気を水力発電の水をくみ上げることに使うことで、原子力発電と水力発電がタッグを組んだ形になっています。
その原子力発電ありきの日本の発電方法の一部に組み込まれている水力発電には、私は賛成できません。
ダムの今後が不安
水力発電は主に川の水の水力を利用してタービンを回し電気を作ります。そのためにはダムが必要です。ダムは雨水を溜め込んで洪水を防いだり、飲み水や水田などの農業に使われますが、主な目的は発電です。水力発電にはダムは不可欠なのです。
しかし、このダムによって川の環境は変わります。土砂までダム湖でせき止め、下流には流れません。下流の河原は痩せて雑草が生えています。
少雨の夏は電力を作るため、ダム湖の水位が減っても電力用に底の汚れた水を使います。そのため、少雨の夏は清流といわれる川もほこりっぽい汚れた川になってしまいます。また、増水してダムが水を放流すると、ドロの混じった汚い水が流され、下流の川底にどろが溜まります。
逆に冬場は水力発電もあまりいらないので、川の水位がぐっと減り、干上がったような川になってしまいます。
さらにこんな酷い発電もあります。四国の大河の上流に発電用の堰堤があります。その堰堤の水を、ひとつ山を越えた別の川の発電所に流し、電力を作っているのです。つまり、発電のために大河の水を別の川に流しているのです。そのため、この川はいつも極端に水が少なく、雄大な流れが貧疎な流れになっています。
川のダムの水を利用する水力発電は自然破壊に繋がります。また、ダムにも寿命があります。老朽化したダムを一旦破壊すると、ダム湖に溜まったヘドロが完全に流れ、元に戻るには何十年もかかるといわれています。
今あるダムの今後はわかりません。発電する為に片っ端から作ったダムのしっぺ返しが来る日はそう遠くないと思っています。
経済面でも環境面でも合理的でない
日本だけでなく世界的に研究開発が行われているのが再生可能エネルギーです。これは、自然に優しいエネルギーとして将来を有望視されています。
その中でも、水の流れの力を利用してエネルギーを生み出す方法のことを水力発電といいます。ダムや水車をイメージするとわかりやすいでしょう。環境に優しいとは言いますが、果たして本当でしょうか?
ダムのような巨大な施設を建てるためには広い土地が必要になります。人が住むところに建てるわけにはいきませんから、山間部を切り開いてその広大な土地を利用するのです。この時点で既に自然破壊につながります。それまで森で暮らしていた動物の住処がなくなります。
更に、水力発電で生み出せるエネルギーは、火力発電や原子力発電に比べればどうしても低くなってしまいます。水力発電の施設を建てるまでにあらゆるデメリットがあるのです。他の発電方法に研究費を投じたほうが経済面・環境面で効果的ではないでしょうか。
生態系への影響が大きい
私は水力発電には否定的です。というのは、生態系を脅かしてしまうのではないかという懸念からです。
水力発電の問題点は、ダムの建設をしなければならない点にあります。たしかに水力発電は高いところから低いところへ水が流れることによる高低差で水車を回して発電するため、環境に優しいと思われがちですが、それは水力発電の一側面しか見えていません。
水力発電をするためにはダムの建設が必要と書きましたが、そのほとんどが、森林を伐採してダムを建設するため、周囲の生態系を脅かしてしまう危険性があります。短期的には電力が賄えていいかもしれませんが、長期的に考えると必ずマイナスに働きます。
それは、もしかしたら今生きている私たちがもういない頃になるかもしれませんが、それなら良いと考えるのは、あまりにも後世に対して無責任ではないでしょうか。
さらに長期間経過すると、ダムの底には土砂がたまり、発電量が減ってしまうという負の効果もあります。長い年月が過ぎたあとには、荒れた生態系と、使い物にならないダムを残していいのでしょうか。水力発電を推進しようとはどうしても思えません。
環境破壊を起こす
環境面から水力発電に対して反対します。まず、水力発電を作るにはダムを建設する必要があります。日本には、既にたくさんのダムがあります。ダムを建設するには既にある森林をたくさん伐採しなければなりません。
ただでさえ、温暖化によって世界全体が砂漠化しています。異常気象が増えて、このままいくと地球は滅びるという意見まであります。自然を維持することで、温暖化を防いで人間にとって最適な環境を提供してくれます。作物を実らせることが出来ます。ですから、環境破壊の面から言っても水力発電に関しては反対です。
また、水力発電は天候にかなり左右されます。ダムに水が貯まらなければ、発電に十分な放水が出来ないため作動しません。時に水不足が続くことがあってダム内の貯水量が少ないときがあります。異常気象で雨が降らない時期が続くことも考えられます。
このような不安定な要素の中で、環境を破壊してまでわざわざ作る必要があるのか大いなる疑問です。
超小型水力発電ができれば…
自分は水力発電は反対です。理由は、ダムや発電所を作る際、森林伐採をして自然環境を破壊してしまうからです。
「水力発電は二酸化炭素を排出しない」「光化学スモッグや酸性雨などといった大気汚染の原因となる酸化物が排出しない」とは言われますが、自然破壊の観点から、環境にはいいとは言いがたいです。ダム建設にも莫大な費用がかかるので、そこも問題です。
山が多く、起伏の大きい日本は水力発電には向いているかもしれませんが、今の日本国内には新たに大型ダムを作るのは困難です。ダムを建設して故郷が水没してしまった人もいると思います。そう考えるとどうしても水力発電はいいとは言えないです。
あと、長年使っていると、ダムの底に土砂が溜まってしまって発電量が落ちます。雨の降る量によって左右されやすいのも欠点です。安定的して電気を供給できないのに、中途半端に開発だけするのはいかがなものかと思います。
以上のことから、自分は水力発電には反対です。ただ、超小型水力発電で家庭でも発電できるようになったらいいですけどね。
自薦環境への負担が大きい
水力発電は、発電をする上ではクリーンなエネルギーですが、発電所を建設するのは自然に負担が大きいため反対です。
ひとたびダムを建設してしまえば、長期的に水の力だけで発電を行えます。しかし、その一方で大規模な森林伐採を行わなければ建てることができません。しかも、ダムの作成の為だけに道を整備しなければならず、伐採範囲は広範囲にわたり、環境への負担を大きくします。
また、日本の場合には大規模なダムの建設が難しく、仮に水力発電を推進していった場合には、全国に中小規模のダムが乱立する可能性もあります。しかも、安定的に発電できるわけではなく、降水量で発電量は変化する上に、長期的な使用でダムに砂利などが溜まり、発電量は年々減少してしまいます。
元々は、クリーンエネルギーとして注目されているのはいいのですが、結局のところは多大な負担を環境に強いているのが現状だと思います。日本の生態系の保全を考えても、水力発電は望ましいとは思えません。
ダム建設に公共事業費を使いすぎ
水力発電所はCO2排出もなく、他の発電方式に比べて危険性や発電機メンテナンスのコストが少ないなど、メリットが多い発電方式です。しかし、発電量の少なさはやはり問題で、水力発電で不足している分を火力で補っている現状です。
しかしながら、もっと問題なのは、やはりダムが乱立し、公共事業費がどんどんかかることだと思います。
ダム自体は治水や飲み水確保など必須な施設ではありますが、その必要もない場所へのダムの無駄な建設が多く、たいして発電量が見込めない場所であるにもかかわらず、公共事業だからという理由だけで中止にもならず、ダムが増加していくのが悪い点です。
昭和のバブル期に計画されたダム建設が、必要がなくなったにも関わらず続けられている例はたくさんあります。
魚やその他水生生物、植物への影響も大きく、水力発電の拡大という理由以外で建設されるダムにはストップをかけなければなりません。
結局、発電量が見込める場所への適切な発電所の建設と、不足している分は原子力発電で補い、火力発電を減らす。この道筋しか温暖化対策にはならないと思います。