再生可能エネルギーとして新たに注目を集めているのが地熱発電です。

ほかの発電方法と比べるとまだメジャーとは言えませんが、エネルギー資源の少ない日本においては水力と同様に貴重な純国産エネルギー資源として知られています。

ここ数年で特に高い注目を浴びていることから、比較的新しい発電と思われがちですが、日本では1925年に小規模な発電実験が初めて行われました。その後、1966年に日本初の商用地熱発電所が誕生しています。

火山帯に属する日本には世界トップクラスの地熱量があるため、これからの発展に期待がかかっています。

発電の仕組み

地熱発電(バイナリー発電)の仕組み
※イラスト出典:九州電力(イラスト削除済み)

地球の内部で生成され、そして蓄えられているマグマ(地熱)をエネルギー源として発電します。地熱によって発生した天然の水蒸気を用いてタービンを回し、電力を作るという仕組みです。

上のイラストでは、地熱発電の中でも発電効率の良い「バイナリー発電」の仕組みを解説しています。

マグマは地下約数キロ~20キロほどのところにあるのですが、さすがにここまで地面を掘ることは困難です。ただ、実際のところ、そこまで掘る必要はありません。

深さ約3キロくらいまでのところに「地熱貯留層」という高温高圧の熱水が溜まる場所があります。ここまで掘ることができれば、そこから高温高圧の蒸気を取り出せます。

あとは前述の通り、その蒸気を使って発電タービンを回すだけです。特に火山の多い地域には「地熱貯留層」がたくさんあり、取り出すことができる蒸気の量も豊富です。そのため、火山が多い日本にとっては魅力的な発電方法と言えます。

主な設備

設備 解説
蒸気井 地熱貯水槽から蒸気を取り出すための井戸です。
気水分離器 取り出した蒸気には熱水が含まれていますので、こちらの設備を使って蒸気と熱水を分離します。
タービン 蒸気で回して発電を行うための設備です。発電機と繋がっています。
フラッシャー 気水分離器で分離させた熱水を減圧処理して、蒸気を発生させるための設備です。この蒸気もタービンへと送られます。
復水器 タービンを回すために使われた蒸気を冷却して、水に戻すための設備です。
還元井 熱水や復水器で戻された水を地下に送り返すための井戸です。

使用する燃料

何かを燃やして蒸気を発生させるという仕組みではないため、燃料は不要です。

地熱発電の種類

種類 解説
ドライスチーム 蒸気井から取り出した蒸気に熱水がほとんど含まれていない場合に採用される方式です。気水分離器を使わずに、簡単な除湿処理を行うだけで発電できます。
シングルフラッシュ 蒸気に熱水が含まれている場合に採用される方式です。気水分離器を使って蒸気と熱水を分離させます。
ダブルフラッシュ シングルフラッシュと同様に蒸気と熱水を分離させますが、熱水を減圧処理して更に蒸気を作る方式です。フラッシャーが利用されます。
バイナリーサイクル 地下から熱水しか得られない場合に採用される方式です。熱水を利用して、アンモニアやペンタンなどといった沸点の低い液体を熱して、蒸気を作り出します。その蒸気でタービンを回します。
高温岩体発電 地下に熱水も蒸気も少ししかない場合に採用される方式です。高温の岩体が存在する場所を見つけ、そこを水圧で破砕します。そして、破砕したところへ水を送り込むことによって蒸気と熱水を得るという仕組みです。

メリット

地熱発電のメリット・長所を箇条書きにしてまとめてみました。

なんといっても最も優れているメリットは環境への優しさです。蒸気を発生させるのに化石燃料を必要としないため、二酸化炭素の排出量がとても少ないです。

また、火山がたくさんある日本にとって、大きな電力を生み出せる可能性の高い方法であるという点も魅力的です。

  • 燃料を必要としない
  • 公害を発生させない
  • 純国産のエネルギー資源である
  • 化石燃料のように枯渇の心配がない
  • 季節や天候に左右されずに安定した発電ができる
  • 日本は世界第三位の地熱保有量を誇る地熱大国である
  • 地熱という再生可能エネルギーを利用した発電である
  • 使わない熱水を地元の温浴施設に譲渡することもできる

デメリット・課題・問題点

今度は逆にデメリット・短所を箇条書きにしてまとめてみました。

前述の通り、日本は火山を多く有するので地熱発電に向いているのですが、日本全体の総発電量の約0.2%しか担っていません。

メリットも多いのにいったいなぜでしょうか。日本においてあまり普及していない理由・問題点は以下の通りです。

  • 国や地元行政からの支援が乏しい
  • 温泉や温泉地の景観に影響を与える可能性がある
  • 発電所が少なく、地熱発電そのものの知名度が低い
  • 地熱発電に向いている地域は、国立公園や国定公園などといった開発規制が敷かれている場所が多い
  • 地質調査や発電所建設作業など、実際に発電が始まるまでに長い時間がかかり、コストパフォーマンスが良くない

推進派と反対派

まだまだ地熱発電自体が世間一般によく知られているとは言い難いため、推進派や反対派の対立などといった話はメディアを通じてもあまり聞きませんが、上記の通りメリットがある一方で、デメリットもはっきりしているため、普及が急速に進んでいかないという論もあります。

日本は火山が多く、地熱も十分にあるため、他国と比較しても地熱発電に向いているということができます。しかし、デメリットの項目にある通り、候補地が主に温泉地や観光地となってしまっているため、その地元での反対が強くなっています。

仮に原子力発電を廃止する方向に動いていくのであれば、風力発電や太陽光発電と共に、地熱発電の力も今以上に必要になるのは明らかです。ただ、日本が世界に誇る文化の一つとも言える温泉が犠牲となる可能性も否めません。

地熱発電所を造ったことに起因する、温泉の湯量の減少や、湯の質の劣化などといったリスクを地元が受け入れるためにも、国による温泉地への支援や、地熱発電所と温泉地・観光地との共存策が必要となってくるでしょう。

賛成意見

安定した再生可能エネルギー

地熱発電は、一番身近で安定した発電方式と考え、賛成します。日本は、石油依存度が高く、原子力発電所の次に発電出力の高いのが火力発電所となります。日本国内には、石炭や天然ガスが埋蔵されているものの、殆どの燃料を海外からの供給に頼っています。

一方、地熱発電の場合、国内の殆どが火山帯に属するため、安定した熱エネルギーを確保することが出来ます。そもそも、温泉自体も地熱により暖められた水を利用しているため、地熱発電は日本で自給自足率の高いものと考えます。

化石燃料とは異なり、地球内部の熱エネルギーと水を利用し、蒸気を発生させます。この後は、タービンにより発電を行いますが、最新式のガスタービンにすることで発電効率は高まります。

また、化石燃料の燃焼に伴う熱エネルギーとは異なり、マグマの活動が続く限り繰返し利用できるため、非常に経済性が高い発電方法と考えます。さらに、維持費については設備のメンテナンス費用や老朽更新費用が主であり、火力発電所の様に為替変動や先物取引による影響も受けません。

その結果、最も安定的かつクリーンな発電方法と考えることができ、今問題となっている二酸化炭素の排出も設備製造時にのみ限定することが出来ます。

もっともっと普及してほしい

地熱発電はなぜもっと普及しないのか、いつも疑問に思う方式です。この火山大国日本の状況を考えれば、地熱利用を進めていくのは当然だと思います。

地熱発電所を作る場合、建設地点の近くには必ずと言っていいほど温泉がありますが、観光地に発電所を立てるのが景観的にNGであると聞いたことはあります。しかし、観光客も減ってきている温泉地も多いなか、新たな産業としての地熱発電所建設は必要だと思います。

また、活火山の近くで硫黄成分が多く観光に向かないところでも、発電所であれば有効利用できるでしょうし、作業員の人への防護手段をしっかり講じておけば健康問題も起こらないと思います。

海底火山で新たな島が形成されるほど活発なところもありますし、そういうところで積極的に地熱発電を推進していくのも有効だと思います。日本国内の活火山が110箇所もあることを考えると、温泉などの観光地を差し引いても、発電に使える場所は結構あるのではないでしょうか。

地の利を活かしてほしい

地熱発電というと、発電方法の中では最もなじみのない方法だと思います。しかし、日本はご存知のように全国各地に温泉が湧いている名所があります。北海道から関東九州に至るまで温泉地を思い浮かべることができます。温泉が沸くということはそこに地熱が発生しているということです。

原子力発電・火力発電など、発電というのは煎じ詰めればそのシステムはいたって簡単です。やかんでお湯を沸かして、その蒸気でコイルを巻いたタービンを回して発電するということです。そのやかんを沸かす熱をどうやって確保するかで、原子力発電・火力発電・地熱発電に分かれるのです。

そして、幸い日本はその熱の元になる地熱が豊富な国です。火山が多い国です。だから地震が多い国なのです。

この地の利をきちんと利用した、再生可能エネルギーを使った地熱発電をもっと推進していくべきだと思います。何も新たに燃料を燃やして二酸化炭素を排出しなくても、地面の深いところでマグマが燃えてくれています。

環境に良い発電方法

自分は地熱発電は賛成です。理由は、エネルギー資源が少ない日本においては水力発電とともに貴重なエネルギー資源だと思うからです。

地熱発電は、地球の内部で生成蓄積されている地熱をエネルギー源として発電します。地熱によって発生した天然の水蒸気を用いてタービンを回し、電力を作るという仕組みをとっています。

地熱は火山活動があるところに生じやすいので、日本のように火山が多い地域(東北地方や九州地方)に地熱発電所は集中しています。日本のとって大きな電力を生み出せる可能性が高い方法であります。

なんと言っても一番のメリットは環境性能です。蒸気を発生させるのに化石燃料を必要としないため、二酸化炭素の排出量が少なくて済みます。

地球温暖化が叫ばれている昨今、温暖化の原因になっている二酸化炭素を少なくして発電する技術が必要になってきています。先進国の日本ならなおさらです。原子力や火力発電のように化石燃料を頼りにせずに発電できる地熱発電をもっと推し進めていくべきです。

地熱が豊富な日本

地熱発電は火山の熱のみを利用して発電するものであり、害をださないものなので環境面において全面的に賛成です。日本は環太平洋造山帯に属しており、世界有数の火山大国です。火山が多いということは地熱発電が十分可能ということです。

地熱発電は地面の熱のみを利用して発電するため、火力発電のように他国から石油や液化天然ガスのような化石燃料を輸入し二酸化炭素も排出することもなく、原子力発電のように核のごみを出したり、放射能の危険性を危惧するようなこともありません。

日本よりはるかに地熱資源の少ないオーストラリアでさえ地熱発電の有用性を理解し、地熱発電を積極的に利用しようとし、成果をだしています。

日本は地熱資源に恵まれた国であり、化石燃料などの資源が乏しい国です。そんな日本にとってなんら原材料の必要ない地熱発電はもっとも適しているのではないでしょうか。私は国をあげて地熱発電の研究を行い、もっと普及させていくべきだと考えます。

クリーンエネルギーの中でも発電量の予測を立てやすい

私が地熱発電に賛成する理由は、地熱発電の発電量が、風力や太陽光といったほかのクリーンエネルギーに比べて安定している上に、石油などの資源がなくても発電できる点にあります。

電力を作る上でもっとも重要なのは安定性です。昨日は10万kW発電できたのに、今日は3万kWしか発電できなかったということが頻繁に起こると、停電が起こってしまいます。なぜなら、電気は石油と違って備蓄しておくことができないからです。

なので、発電量が不安定な発電方法に頼れば頼るほど、停電の危険が高まっていきます。

そこを考えると、地熱発電は他のクリーンエネルギーに比べて非常に有用です。他のクリーンエネルギーと違い、地熱はいつもほぼ一定なので、「今日はこれだけ発電できる」と、発電量を予測する事が出来るからです。

これが出来る上に、火力発電と違って資源が何もなくても発電できるので、有事にも強いです。火力発電の場合、戦争で石油が輸入できなくなったりすると、発電がストップします。安定性がある上に、有事にも強い地熱発電こそ、クリーンエネルギーの王者と言えるでしょう。

地熱発電所を観光地化する

火山が多くある日本。これからは、地熱発電はなくてはならない発電の一つとして考えなければならないと思います。

確かに、地熱発電について反対があるのも知っています。温泉街の景観及び温泉の枯渇問題、自然保護の観点から反対意見が出ています。しかし、東日本大震災を経て原子力発電の危険性がわかった今、自然エネルギーを有効活用する事は考える必要があると思います。

まず、地熱発電の場合、化石燃料を使うことがないので環境汚染の心配が要りません。また、資源の枯渇についても自然エネルギーの為、大丈夫です。

火山地帯が国立公園内に多いため、発電所を作ると自然破壊に繋がる恐れがあるという懸念も勿論あります。なので、これからは地熱発電が必要だという事の重要性をたくさんの話し合いで理解してもらう必要があります。

また、温泉街の景観などの問題については、発電所自体を観光の拠点にするとかの工夫が良いと思います。

原子力発電所の近くには原子力をアピールしながら楽しめる施設などがありましたが、地熱発電もこの様な地熱発電に対して分かって貰えるような施設を作るなど工夫する事が大切だと思います。観光と一体する考えです。せっかくの火山国の日本ですから地熱発電を利用するべきだと思います。

いつか原子力発電の代わりになる日が来る

地熱発電に全面的に賛成です。地熱発電というとあまりイメージがわきにくいところもありますが、地熱を利用して発電する方法は、温泉大国日本ならではの発想だと思います。自然にある地熱を利用しているので、とても自然に優しいイメージがあります。

また、原子力発電や火力発電のようにゴミや二酸化炭素などの副産物も発生しにくく、クリーンなエネルギーなのも魅力です。同じクリーンエネルギーである太陽光発電ほどは一般に知られていないようですが、温泉が多い日本では地熱発電の開発を手掛けている企業が多くあり、日々開発が進められています。

電力は日常生活に欠かせないものです。現在電力供給の主流となっている原子力発電は安全とはいえませんが、現在の生活を維持するためには無くすことはできません。けれど、いつかは原子力発電に頼ることを辞める必要があると感じます。

地熱発電は私たちが将来、原子力発電を手放した時、原子力発電の代替となる可能性を秘めていると感じています。

再生可能エネルギーにシフトするべき

日本は世界でも有数の火山国として有名です。今でも至る所に活火山があります。その特徴をうまく利用して、今新しいエネルギー開発に取り組んでいます。それが「地熱発電」です。

現在、日本に限らず、あらゆる国では火力発電や原子力発電を利用しています。人類の発展にはなくてはならないものとして認識されています。しかし、その代わりに弊害もありました。火力発電によって自然に悪影響を与える物質を排出したり、原子力発電所から放射能が漏れるなどの事故がありました。

これからは環境に優しいエネルギーを創る手段にシフトしていかなくてはなりません。そこで、日本が最も適している手段が地熱発電です。国や自治体、多くの企業、研究機関が協力してこの発電方法について研究開発をしています。

近い未来、火力・原子力発電以上に多くのエネルギーを得られるように、日々努力されています。自然に優しいエネルギーほど良いものはありません。再生可能エネルギーの一角として、日本を代表する発電方法になることは間違いありません。

火山帯国である日本に最適な発電方法

地熱発電は火山帯でもある日本に非常に適した発電方法だと思います。常に安定した熱源を温泉地帯では得られているのですから、それらをうまく使えば流水型の水力発電程度の発電量は得られるのではないかと期待しています。

しかし、この発電所を作るにあたり、ある程度の自然を破壊する必要があるという懸念点はあります。そのため、環境に良い発電方法であっても、今はまだ一部の地域を補える程度の発電量しか生み出すことができていないのではないでしょうか。

地熱発電所もそうですが、波力発電も海に面した日本にとっては向いている発電方法だと思います。小さな発電量だとしても数を揃えられれば大きな発電量になるのですから、地熱発電と波力発電には期待したいです。

中立的な意見

一長一短

石油や石炭などの資源に乏しい日本にとって、自然のエネルギーであるマグマを活用した地熱発電が注目をされています。

ただ、地熱の活用が出来るとされる地域のほとんどは国立公園などの景色が優れた場所にあることから、発電所の建設によって景観が損なわれる可能性があることや、温泉地においては、源泉が枯渇するのではといった問題も指摘されています。

また、地熱発電は、有効な場所を選定するために何度もボーリング作業を行う必要があり、多くの時間を要することや、そのボーリングに関する費用や山間部に発電所を作ることによる建設コストが、他の自然エネルギーである風力発電や水力発電に比べて高いことが問題となっています。

さらに、地熱発電所は山間部にあるため、電力の需要地への送電ロスや送電コストも大きな課題です。自然エネルギーの活用は大切なことではありますが、高い建設コストは結果として私たちの支払う電力料金に跳ね返ってきます。

そのため、自然環境の保護といった問題も含めて、国策として地熱発電を積極的に推進しようとすることについては慎重な議論や検討が必要だと思います。

温泉や景観への対策ができればOK

地熱発電は温泉地の対策がたてられていれば賛成です。地熱発電は地下の熱エネルギーを利用するものですので、燃料費はかかりません。地下深くのマグマで熱せられた水蒸気を利用して発電するもので、火山の多い日本では有望な発電のひとつです。

この地熱発電は、火山の近くで行うため、主に温泉地の中での発電になってきます。そのため、温泉の湧出量に影響が出てくる可能性があり、あまり日本では地熱発電は進んでいません。

また、温泉地は国立公園内にあることが多く、地熱発電所ができることによって景観が悪くなる可能性もあります。そのため、このような事態を避けるために、地熱に届くパイプが長くなり、結局建設費が高くなるとのことです。

もっと発電効率を上げたい

東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発の事故。この事故をきっかけに国内全ての原発が停止し、数年経った今も稼働しているのはごくごく一部のみです。ただ、世論を考えると、このようになるのは仕方ないかなとも思います。

そこで、日本の未来のために提言したいのが「再生可能エネルギーの活用」です。既にあちらこちらで声高に叫ばれていますので、再生可能エネルギーという言葉を聞いたことがないという方は少ないと思いますが、水力や風力などといった自然由来の途絶えることのないエネルギーを再生可能エネルギーと言います。

その中でも私が注目しているのは地熱発電です。以前、WOWOWで放送していた「マグマ」という地熱発電所を舞台としたドラマを見て、地熱発電に興味を持つようになりました。もっと発電効率を上げる方法などを考えていく必要はあるかと思いますが、地熱が豊富な日本において、地熱発電は切り札になり得るのではないでしょうか。

電力と景観の両立が可能か

国立公園などに地熱発電所を設けることによって、その自然などが破壊されることを懸念する立場から反対する意見がありますが、これは無視できないでしょう。しかし、現在のわが国は総力を挙げて電力資源を確保する必要に迫られておりますので、環境と両立できる発電所を各地に設けることを考えないといけません。

そこで、国立公園などの一角に地熱発電所を設け、そこを観光拠点として整備してはどうでしょうか。そこを見学してもらうことで、多くの人にエネルギーと環境により関心を寄せてもらえるようにするのです。

調査から稼働までの期間を短縮できれば…

日本は火山や温泉が多いので、エコ発電の方法として地熱発電は向いていると思っていましたが、調べてみると、いろいろと問題があることがわかりました。

まず、他のクリーンエネルギーに比べて、地熱発電は環境への影響が大きいことです。地下を深く掘って調査を行うため、地盤が変化し地震や崖崩れが誘発されたり、周囲の温泉が枯渇する、地下水が汚染される、などの弊害があるようです。

地熱発電の見込める場所は温泉地が多いため、このような影響が出る可能性がある発電所の建設を進めるのは難しいでしょう。周りの環境を壊してしまうようでは、エコ発電にはならないのではないでしょうか?

また、地熱発電は最もコストパフォーマンスが低いことでも知られています。調査から稼働まで10年はかかるそうですが、それだけ時間をかけて地下を深く掘り、発電所を建設しても発電量が低いことがあるそうです。

発電の効率化や環境への影響の軽減が実現されない限り、地熱発電はまだまだ発展してはいかないでしょう。

反対意見

観光客を失望させかねない

地熱発電は、火山活動の盛んな日本で大きな電力を生み出すことができ、貴重な国産のエネルギー資源になることが期待されています。しかし、日本の観光都市としての面から見ると、観光のもととなっている温泉や公園などの自然が破壊され、観光都市として打撃を受ける可能性があります。

今後の日本としての立場を考えるなら、地熱発電には反対です。自然や環境を壊さないことが再生可能エネルギーとしての良さであったのに対し、地熱発電を実現するためにいくつの環境を犠牲にすれば、原子力発電に取って替わるエネルギー資源になれるのでしょうか。

また、実際に地熱発電を実現するためには、相当な期間とコストがかかると言われています。まだ未熟な発電システムと言わざるを得ない気がします。

観光資源である温泉や自然公園を破壊してまで得られるものは、失うものよりも大きいでしょうか。近年、海外から日本を訪れてくれる人はとても多く、来日する理由として、自然観光、温泉、伝統文化体験などが上位にあります。

これらの海外からの期待を失っても、有り余るメリットが地熱発電にあるでしょうか。

場所を見つけるのは難しい

地熱発電は火山のすぐそばで発電することもあり、やはり温泉地との兼ね合いが問題だと思います。よくある建設プランでは、温泉地の新たな産業としての発電所建設があがりますが、温泉地への影響はあまり考慮されていないことが多いです。

そのような発電所建設は賛成できず、中止すべきだと考えます。温泉地のど真ん中に湯気をもくもく上げる発電所がそびえたっていては、温泉でくつろぐどころではありません。

しかし、日本には活火山が110箇所もありますし、有毒ガスがあって観光地にはならない場所もあると思いますので、発電所を建設するのならば、そういう場所こそふさわしいのではないでしょうか。

作業員の皆さんへのガスの影響はあるでしょうが、原発での危険性に比べれば防護できるレベルでしょうし、いっそのこと人工知能で制御してもいいかもしれません。

いずれにしても観光地と関係ない場所、もしくは観光が立ちいかなくなった温泉地などへの建設でなければ難しいと思います。

日本経済にダメージを与えてしまいそう

地熱発電について、一般的にはあまり詳しくは知られていないようです。それもそのはず、地熱発電は日本の日本の総発電量の0.2%しかありません。

よく、再生可能エネルギーであるとか、資源が枯渇しないから良いのだとメリットが言われますが、地熱発電は日本の観光資源や景観に打撃を与えるという負の側面を知る必要があります。地熱発電の候補地は、大体が温泉地であることがその理由です。

日本国民は温泉が大好きです。レジャーの中で温泉は大きな部分を占めているといっても過言ではないでしょう。しかし、そこを地熱発電に利用するということは、温泉への影響が懸念されます。

地熱発電は地下深く掘る必要があるため、温泉源へ影響を及ぼす可能性が高いです。その心配がある中で、リラックスを目的とする温泉でリラックスできるでしょうか。温泉への影響があり、温泉を閉めてしまう事業者が増えれば、日本の一大観光産業に大きな打撃を与えることになります。

したがって、地熱発電は日本経済に打撃を与えてしまうという観点から、進めていくべきではないと思います。

景観や環境破壊への懸念

地熱発電に関していうと、日本の観光に大ダメージを与えるので反対です。まず、地熱発電を稼働させるためには火山や温泉地など、地熱を有するところが必要です。

日本にはたくさんの温泉地がありますが、その場所に地熱発電が複数建設されたらどうなるでしょうか?景観が損なわれて、風情がなくなって地熱発電が存在する温泉観光地は大打撃を被ります。日本を含めて海外からの旅行者も少なくなって、観光でかなりの利益を得ている日本の経済にも大きな損害を与えます。

そして、万が一事故が起きたらどうなるでしょうか?近くにいた旅行者は死亡、大怪我をして、もともと原子力や他の発電よりも供給量の低い地熱発電はすぐに廃止されると考えられます。

それなら温泉地ではなくて、国立公園近くに建てようという意見があります。これも素晴らしい景観を損なうので国立公園の意味がなくなります。そして、温泉や国立公園に対する環境破壊もあるでしょう。数年後に誰も寄れなくなるかもしれないのです。反対と言わざるを得ません。

経済的にも環境的にもリスクが大きい

火山の多い日本に適した発電方法として地熱発電が注目されているようですが、大規模な導入は得策ではないと思っています。

理由はまず、コストパフォーマンスの悪さ。地熱発電を行うためには、建設予定地周辺の綿密な検査や周辺住民への説明などに莫大な時間と労力が必要となります。

それをクリアすれば今度は、地面に2〜3キロもの深さの穴をいくつも掘るなど、非常に大規模な工事をしなければなりません。実際に地熱発電所を稼動させるまでには、実に10年以上の時間がかかるといいます。これは決して効率がよいとはいえません。

そしてもうひとつ、もっと大きな理由は、地熱発電所の建設によって大切な自然環境が少なからず破壊されてしまうということです。

地熱発電に適した場所は火山の近くであり、ほとんどが自然の豊かな温泉地や国立公園となっています。そうした場所に巨大な発電所を建設すれば、せっかくの美しい景観が台無しになってしまうでしょう。

近年、環境省は、景観を保全した上で発電所を建設するための新たな指針を発表したそうですが、それでも火山の近くに建設して付近の自然の生態系を壊すことに変わりはないのですから、何らかの形で自然環境に悪影響は出てくると思います。

こうしたことから、地熱発電はリスクの多い、あまり望ましくない方法であると考えています。

メリットに対して、デメリットが大きすぎる

地熱発電は火山の多い日本にあった発電方法だと思っていました。しかし、色々調べてみると、デメリットがいくつもあることがわかりました。

まず一つ目は、騒音と振動の問題です。地熱発電はボーリングで地下深くまで穴を掘るので、その作業の際に出る騒音や振動が近隣住民に悪影響を与えてしまいます。

二つ目は、温泉街に与える影響です。地熱発電に適した場所と温泉街は火山の関係で重なることが多いです。温泉街に地熱発電所ができれば景観を損なってしまいます。また、地熱発電の影響で温泉のお湯が減少したり、枯渇してしまう可能性があります。温泉が出なくなれば温泉街は経営が成り立たなくなってしまいます。

そして、三つ目が地震を誘発する可能性があるということです。地熱発電で生じた不用水を還元した際、地層の構造の変化を引き起こし、ひいては地震が起こることがあるというのです。

地熱発電には様々なメリットもありますが、これらのデメリットがあることも知っておかなくてはいけないと思います。

地震などの安全対策に不安

日本は世界有数の火山国です。そのメリットもあってか、再生可能エネルギーである地熱発電の研究開発が進んでいるという話を聞きます。しかし、私は地熱発電という手段には賛成出来ません。

その理由は、発電施設を設置するまでの過程にかかるコストと比べ、得られるエネルギーは低いということからです。確かに、他の国に比べれば地熱発電のポテンシャルがあるかもしれませんが、もっと他の手段に目を向けるべきだと考えています。

例えば、日本は島国で海に面した土地が多いことから水力発電にも適しています。火力発電からのシフトとしては最も適していると考えています。

それに比べ、地熱発電にはデメリットがあります。最近では大規模な地震が発生し、いつ地盤が変形するかわからない状況です。そのような危険性があるときに地熱発電所をたくさん設置しても使えなくなる可能性があるなら、他のエネルギー確保手段に力を入れるべきです。

私が地熱発電に反対する理由は以上になります。経済面・安全面を考慮した上でこのような考えに至りました。

安全性や将来性が良くない

地熱発電については、一見すると再生可能エネルギーとして注目を集めていますが、安全性や将来性の面で反対します。確かに、地球内部の熱エネルギーを有効利用することについては、経済性や環境配慮という面で非常にメリットはあります。

しかし、安全性や将来性を考えた場合、不安要素が残っています。そもそも、地熱発電に利用するエネルギーは地球内部のマグマによる熱です。そして、日本の国土全体は基本的に火山帯に属し、死火山という概念が無くなりました。

つまり、いつ火山活動が活発化するか分からない活火山や休火山に該当することとなります。発電効率を重視した場合において、地熱発電所は活火山に設置します。その結果、火山活動がいつ活発化するか不明な状況となり、いつ噴火するかも分からないこととなります。

影響は、発電所の運転停止や、勤務者の生命にまで及ぶ可能性があります。地熱発電については、原子力発電以上に細心の注意が必要であり、最悪の事態は運転停止、並びに発電所の放棄および閉鎖を考慮する必要があります。

実際のところ、火力発電所や原子力発電所よりも、人間の管理が行き届かない可能性が非常に高いとも言えます。